一般的にロードバイクには駐輪用のスタンドが付いていません。そのため、出先では完全に車体を寝かせるか、壁や柱などに立てかけて駐輪することになります。多くのロードバイク乗りの皆さんは、元々そういうものと割り切っていらっしゃいますが、一時的にでも自立させたいと思うシーンが結構あるのではないでしょうか?そこで今回は、ロードバイク用のスタンドで、持ち運び可能な便利グッズをご紹介します。
ロードバイクにスタンドが付いていない理由とは?
そもそも、なぜロードバイクにスタンドが付いていないのか、主な理由を3つ解説します。
車体の軽量化に影響する
ロードバイクは、より早く走れるように、フレームからさまざまなパーツまで軽量化されています。そして、高速で走る車体の強度を上げることも安全上、非常に重要です。ロードバイクのメーカー各社は、この軽量化と強度アップを突き詰めるために、日々研究開発にしのぎを削っています。このように、細かいパーツに至るまで数グラム単位で軽量化を追及しているところに、重いスタンドを付けることは、本末転倒であるとも言えるのです。
スタンドの取り付け部分が車体に負荷をかける
ロードバイクのフレームに固定式のスタンドを取り付けようとすると、取り付け部分に大きな負荷がかかります。そして、駐輪する際には、車体の重量がスタンドの取り付け部分に集中することになり、更なる負荷がかかります。フレームの素材がカーボンやアルミなどいずれの場合であっても、このような負荷をかけることは、決して好ましくありません。ロードバイクは高額なものだと数十万円しますので、車体に負荷がかかることは、極力避けたいものです。
見た目のデザイン性を損なう
ロードバイクに固定式のスタンドを付けると、見た目のデザイン性を損なうと考える方は多いようです。上述の通りロードバイクは、より速く走るために、可能な限り不要なものをそぎ落とした最小限のパーツで組まれています。ホイールやハンドルなど、各種エアロパーツも出ており、空気抵抗を減らすさまざまな工夫もなされています。このように、速く走ることに徹したロードバイクのスタイルやデザインの美しさに魅力を感じる方も多いのです。固定式スタンドを付けることに、違和感をもつのも無理のないことでしょう。
持ち運びできるロードバイクのスタンド
ここまで解説したように、ロードバイクに固定式スタンドを付けることは、好まない方は多いものです。しかし持ち運びができて、工具を使わずに簡易的に取り付けてロードバイクを自立させられる便利なスタンドもあります。ここでは、代表的な3つのタイプのスタンドをご紹介します。
リアのクイックリリースで固定するタイプ
リアホイールのクイックシャフトに取り付けて、クイックリリースで固定するタイプのスタンドで、持ち運びできるスタンドとしては一番多くの製品が出ています。中には、取り外した後に折りたたんで収納できるものや、カーボンなどの軽量素材で携行性を向上させたものもあります。価格帯は2,000~4,000円前後です。
折りたたみ式タイプ
折りたたみ式の携行性に優れたスタンドで、ボトムブラケットとダウンチューブで保持させてスタンドになる機構のものや、クランクの先端に取り付けて車体を自立させる機構のものなどがあります。工具メーカーのTOPEAKの製品が人気で、値段は7,000~8,000円前後と、上記のクイックリリース固定タイプと比べると価格が高めとなります。
工具兼用タイプ
携帯工具と簡易スタンドが兼用となる便利な製品もあります。通常はレンチやプラスドライバー・タイヤレバーなどの工具として使える他、ペダルスタンドとして車体を自立させられる機構になっています。MINOURAから出ており、価格は3,300円です。
持ち運び可能なロードバイク用スタンドの注意点
持ち運んで必要な時だけ工具無しで取り付けができる、便利な携帯用スタンドですが、いくつか注意点もあります。ここでは、とくに気を付けたい2つの注意点について説明します。
自分のロードバイクに使えるのか確認が必要
ここまでご紹介した各製品は、すべてのロードバイクに使えるわけではありません。それぞれ製品ごとに、適合可否がありますので、購入する前にご自分のロードバイクに使えるのか確認をしましょう。
長時間の駐輪には向かない
携帯用のスタンドは、いずれも基本的には簡易用スタンドとなります。長時間の駐輪には不向きですので、あくまで短時間の使用に限るよう注意しましょう。安定性も低い傾向にあり、ちょっとした風や振動、傾斜などでも車体が倒れてしまう恐れもありますので、極力目の届く範囲での使用をおすすめします。
まとめ
今回は、ロードバイクを出先で一時的に駐輪させる際に使える、持ち運び可能な携帯用スタンドをご紹介しました。現在は多くのメーカーから、さまざまな製品が出ており、ご自分のロードバイクに適合するか確認をしてから購入するようにしましょう。また、いずれの製品も簡易用スタンドですので、長時間の駐輪には不向きとなり、一時的な利用に限るよう注意が必要です。
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